次世代体験レビューログ

VR空間のバーチャルオフィスは仕事に使える?:正直レビュー、必要なもの、VR酔いはどう?

Tags: VR, バーチャルオフィス, リモートワーク, ビジネス, VR酔い

VR空間のバーチャルオフィスとは

リモートワークが普及し、自宅やコワーキングスペースなど場所にとらわれない働き方が一般的になりました。その中で、まるで同じ空間にいるかのように同僚とコミュニケーションを取ったり、集中して作業したりできる「バーチャルオフィス」が注目されています。特にVR(仮想現実)デバイスを用いることで、より没入感の高いバーチャル空間での仕事体験が可能になっています。

現実のオフィスのような空間や、カフェのようなリラックスできる空間、あるいは宇宙空間のような非日常的な空間など、様々な環境が用意されており、利用者はアバターとしてその空間に参加します。声の聞こえる方向や大きさで誰がどこにいるかを感じ取ったり、共有スクリーンで資料を見たり、バーチャルホワイトボードに書き込んだりすることができます。

本記事では、実際にVRデバイスを使ってバーチャルオフィスを体験した際の正直なレビューを、VR初心者の方の視点からご紹介します。仕事に本当に使えるのか、必要なものは何か、気になるVR酔いの心配はどうかといった点について、具体的な情報を提供いたします。

VRバーチャルオフィス体験レビュー

実際にいくつかのVRバーチャルオフィスサービスを体験してみました。利用したデバイスはスタンドアロン型のVRヘッドセット(Meta Quest 3など)です。

体験して感じた良い点

最も大きな利点は、物理的な環境から隔絶された「集中できる空間」を自分で作り出せることです。自宅でのリモートワーク中に、周囲の音や視覚的な情報に邪魔されがちな場合でも、VRヘッドセットを装着することで仮想空間に意識を集中させやすくなりました。サービスによっては、一人用の集中ブースのような空間が用意されており、静かで作業に没頭できる環境を選べます。

また、アバターを介したコミュニケーションは、テキストや音声通話だけでは得られない一体感や臨場感をもたらします。誰かが近くに来たら声が大きく聞こえる、アバターのジェスチャーで感情が伝わるといった点は、リモートワークにおける希薄になりがちな人間関係の構築や、ちょっとした雑談によるアイデア創出に役立つ可能性を感じました。バーチャルホワイトボード機能も便利で、複数人で同時に書き込みながら議論を進める際に、まるで現実の会議室にいるような感覚で利用できました。気分転換に、バーチャル空間内の景色を眺めたり、アバターで自由に歩き回ったりできるのも面白い点です。

感じた課題や不満点

一方で、いくつかの課題も感じました。まず、VRデバイスを長時間装着することによる身体的な負担です。ヘッドセットの重さや締め付け感で、数時間利用していると疲労を感じることがありました。また、ディスプレイを間近で見続けることで、目の疲れも無視できません。サービスによっては現実のデスク環境をパススルー機能でVR空間に取り込むことができますが、まだ精度に限界があり、現実のキーボードやマウスを正確に操作するには慣れが必要です。

次に、サービスの機能面です。提供されているバーチャルオフィスサービスによって、利用できる機能(スクリーン共有の使いやすさ、ホワイトボード機能の有無、アバターの種類、空間デザインなど)に大きな差があります。自分の仕事内容やチームのスタイルに合ったサービスを選ぶ必要がありますが、事前に全ての機能を十分に試すのが難しい場合もあります。

そして、やはりVR酔いの可能性です。多くのバーチャルオフィスサービスは比較的シンプルな移動方法(テレポートなど)を採用しており、激しい動きは少ないためVRゲームと比較すると酔いにくい傾向にあります。しかし、それでも長時間利用したり、ネットワーク環境が不安定で映像がカクついたりすると、人によっては酔いを感じる可能性はあります。私自身も、初めて利用した際は短時間でも少し酔いを感じましたが、慣れてくると徐々に軽減されました。サービスによっては酔いを軽減するための設定が用意されている場合もあります。

デバイス、コンテンツ、初期投資について

利用できるVRデバイスは、多くの場合スタンドアロン型のMeta Questシリーズなどが推奨されています。PC接続型の高性能VRデバイスに対応しているサービスもありますが、まずは手軽に始められるスタンドアロン型で試すのが現実的です。Meta Quest 3の価格は5万円台後半からとなっており、これが主な初期投資となります。これに加えて、利用するバーチャルオフィスサービスによっては月額利用料が発生します。無料プランや無料トライアル期間を提供しているサービスも多いため、まずはそういったものを活用してみるのが良いでしょう。

コンテンツ(バーチャルオフィスサービス)としては、Spatial、Immersed、Horizon Workroomsなどが知られています。Spatialはイベントやギャラリーなど多様な用途にも使われますが、オフィス空間も用意されています。Immersedは特に集中作業に特化しており、複数の仮想モニターを表示できる機能が特徴です。Horizon WorkroomsはMetaが提供しており、Meta Questユーザー同士の利用に適しています。それぞれのサービスで得意なことや雰囲気が異なるため、いくつかのサービスを試して比較検討することをおすすめします。

VRバーチャルオフィスを始める初心者へのアドバイス

VRバーチャルオフィスは、特にリモートワークで集中できる環境を探している方や、新しい形でのチームコミュニケーションを試したいと考えている方にとって、試してみる価値のある選択肢だと感じます。

始めるにあたって最低限必要なものは、対応するVRヘッドセットと、安定したインターネット接続環境です。多くのサービスはWi-Fi経由で利用可能です。

VR酔いが心配な場合は、以下の対策を試してみてください。

また、前述の通り、バーチャルオフィスサービスには様々な種類があります。まずは無料プランや無料トライアルがあるサービスをいくつか試してみて、自分の働き方や好みに合う空間や機能を提供しているかを確認することをおすすめします。

まとめ

VR空間でのバーチャルオフィス利用は、リモートワークにおける集中力向上や、より自然なコミュニケーションを実現する可能性を秘めています。Meta Questのようなスタンドアロン型VRヘッドセットがあれば比較的容易に開始でき、様々なサービスを試すことができます。

一方で、長時間の利用による身体的な負担や、VR酔いの可能性といった課題も存在します。これらの課題を理解し、適切な対策を取りながら利用することが重要です。

初期投資としてVRヘッドセットが必要になりますが、無料のバーチャルオフィスサービスや無料トライアルを活用すれば、まずは費用を抑えて体験することが可能です。ご自身の働き方を見直し、新しい環境での集中やコミュニケーションに興味がある方は、一度VRバーチャルオフィスを体験してみることを検討してみてはいかがでしょうか。