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日本発ソーシャルVR『Cluster』のリアル:初心者向けに使い勝手、費用、VR酔いを徹底レビュー

Tags: Cluster, ソーシャルVR, VRアプリ, VR初心者, VR酔い, レビュー

ソーシャルVRプラットフォーム『Cluster』とは

近年、VR空間で他のユーザーと交流するソーシャルVRプラットフォームが注目を集めています。中でも『Cluster』(クラスター)は、日本で開発・運営されているサービスとして知られています。Clusterでは、様々なクリエイターが作成した仮想空間「ワールド」を訪れたり、バーチャルライブやカンファレンスなどのイベントに参加したり、他のユーザーとコミュニケーションを取ったりすることができます。

このプラットフォームの特徴は、VRヘッドセットだけでなく、PC(Windows/Mac)のデスクトップモードやスマートフォンのアプリからもアクセスできる点です。これにより、高性能なVR機器を持っていない初心者の方でも、気軽にソーシャルVRの世界を体験できる入り口となっています。では、実際にClusterを体験してみて、初心者にとってどうなのか、正直なレビューをお伝えします。

Clusterを体験した正直レビュー

多様なアクセス手段が魅力

私がClusterに触れて最初に感じたのは、アクセス手段の豊富さによる手軽さです。VRヘッドセット(Meta QuestシリーズやPCVRなど)で没入感高く体験できるのはもちろんですが、PCのモニター越しや、普段使いのスマートフォンからも同じワールドやイベントに参加できるのは大きな利点だと感じました。

特にVR機器を持っていない場合、PCのデスクトップモードやスマホアプリでClusterの世界を覗いてみることから始められます。これにより、「いきなり高価なVR機器を買うのは不安だ」という初心者の方でも、費用ゼロで雰囲気を掴むことが可能です。操作も、キーボードやスマートフォンのタッチ操作に最適化されており、直感的に操作できるよう工夫されています。

日本語環境と豊富なイベント

日本発のプラットフォームであるため、日本語での情報が多く、コミュニティも日本語が中心です。初心者向けの丁寧なチュートリアルワールドが用意されていたり、日本のユーザーが作成したユニークなワールドが豊富に存在したりします。これにより、英語圏のプラットフォームに比べて、言語の壁を感じにくい点は初心者にとって安心できる要素でしょう。

また、Clusterはバーチャルイベントの開催が非常に盛んです。音楽ライブ、お笑いライブ、カンファレンス、ファンミーティングなど、様々なジャンルの公式・非公式イベントが日々開催されています。有名なアーティストのライブがVR空間で行われることもあり、自宅にいながら特別な体験ができるのは大きな魅力です。私もいくつかのイベントに参加してみましたが、他の参加者と一緒に盛り上がる一体感は、VRならではの体験だと感じました。

グラフィックとパフォーマンスについて

正直なところ、グラフィックの品質という点では、他の特定のソーシャルVRプラットフォームに比べて、ややシンプルに感じられるワールドも存在します。これは、スマートフォンやエントリーレベルのPCでも動作するように、比較的軽量に作られているワールドが多いことが理由と考えられます。しかし、中には非常に作り込まれた美しいワールドや、クリエイターの個性が光るユニークなワールドも多数存在します。

パフォーマンスに関しては、ワールドやイベントの規模、参加人数によって変動します。人が密集する人気のイベントなどでは、PCやVR機器のスペックによっては動作が重くなったり、カクつきが発生したりすることがありました。特にVRヘッドセットでの体験の場合、カクつきはVR酔いを引き起こす原因となるため、注意が必要です。

アバターとコミュニケーション

自分の分身となるアバターは、Cluster内で提供されているものや、外部ツールで作成したものをアップロードして使用できます。無料でもいくつかのアバターが用意されていますが、より自分らしいアバターを使いたい場合は、別途作成や購入が必要になることもあります。アバターの表現力は進化していますが、複雑な設定を要するアバターなどは、VRChatなどに比べると制限がある場合もあります。

他のユーザーとのコミュニケーションは、主にボイスチャットやテキストチャットで行います。ワールドによっては、特定の場所に集まって会話を楽しんだり、ミニゲームで遊んだりできます。初めての人と話すのは少し勇気がいりますが、共通のイベントに参加した人同士や、同じワールドを訪れた人との会話は楽しいものです。無理に話さなくても、ただワールドを散策するだけでも十分に楽しめます。

VR酔いについて

VR酔いは、多くのVR初心者が懸念する点だと思います。ClusterでのVR酔いは、主に移動方法とパフォーマンスに起因すると感じました。移動方法は「テレポート」と「スムーズ移動」が選べます。テレポートは瞬間移動なので酔いにくいですが、スムーズ移動は現実世界とは異なる感覚で移動するため、酔いやすい傾向にあります。VRヘッドセットを使用する場合、最初はテレポート移動から慣れるのがおすすめです。

また、先述したように、ワールドが重かったり、参加人数が多くてフレームレートが低下したりすると、映像が滑らかに表示されず、酔いを誘発することがあります。これは、VRヘッドセットの種類やPCスペックにも左右されるため、ご自身の環境で試してみるのが良いでしょう。PCのデスクトップモードやスマートフォンアプリでの利用であれば、VR酔いの心配はほとんどありません。

初心者へのアドバイス

Clusterは、VR/AR体験に興味があるが、どこから始めれば良いか分からないという初心者の方に非常におすすめできるプラットフォームです。

まとめ

日本発のソーシャルVRプラットフォーム『Cluster』は、その多様なアクセス手段と日本語環境、豊富なイベントによって、VR初心者が気軽にソーシャルVRの世界に足を踏み入れるための優れた入り口となります。

高価なVR機器がなくてもPCやスマホから無料で始められるため、「初期投資で失敗したくない」という方にも安心です。コンテンツも、ゆったりとワールドを探索するものから、大人数で盛り上がるイベントまで幅広く、飽きさせません。

VR酔いの懸念はありますが、デバイス選びや移動方法、休憩の取り方で軽減できます。まずはPCやスマホで雰囲気を掴み、興味が深まればVR機器での体験にステップアップするという利用方法が、初心者の方には最適だと感じました。

『Cluster』は、自宅にいながら新しい人々と出会い、様々なイベントに参加できる、まさに「次世代体験」の一つです。ソーシャルVRに少しでも興味がある方は、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。